ライトで可愛らしい魚イラストの作画手順を紹介します。シマドジョウは体側に黒い斑点が独特の模様を描きながら並びます。全国の河川に分布し、浮石の下に隠れています。案外身近な魚です。
構図とレイアウトを考えながら、輪郭を描く
水中でシマドジョウがどのように泳いでいるのか、より自然な様をイメージしながら構図とレイアウトをつくります。輪郭は、シマドジョウの特徴を意識しながら、ヒレの軟条の入り方や、側線のラインを確認して描いていきます。
ポイントは、一筋の線に魚の存在を感じながら描くことだと思っています。真っ白なキャンバスに、魚のイメージと存在感を投影出来てから、その後に線を描くようにしています。
ベース色を乗せ、模様を充てる
基本になる色をここでは灰色寄りのベージュに、腹部のやや明るいトーン、背部の影に透明感のある黒をのせます。
模様は、大きな斑点から位置と形を定め、小さなものも流れを感じつつ描き込みます。ヒレの模様や、エラの影も同様です。
体色の奥行きを表現する
深みを意識して体側の黒色斑点に、より黒を足した色を部分的にのせます。よく観察すると、背中の模様は一段淡い色をしているため、ここには色をあえてのせないようにします。
また、ヒレの軟条(線)についても光の反射を観察し、白で表現していきます。
彩度を高める
前項までは、シマドジョウの代表的な色をのせただけのため味気ない色味となっています。魚の表面は、光を反射して豊かな色を放っています。その極色彩を探すように、もう一度観察します。例えば、腹部上部はほのかに奥行きのある青があり、エラ蓋には一部光をより強く反射して橙色が見えたりします。必ず、体の構造と紐づいた色彩があるので、ベース色を邪魔しない透明度で塗っていきます。
光を入れる
最後に、魚体の艶やかさを強い白を使って表現していきます。また、目の周りに見える強いオレンジ色もはっきりわかるように描いていきます。目はデフォルメしており、表情を感じやすいようにマンガチックにしています。黒目部分に光を入れると、意志があるように見えてきます。
背景を描く
シマドジョウの棲息している環境を意識して背景を描いていきます。ここでは、砂地や石に藻類が生えている風景をイメージして緑をベースに、アクセントにオレンジを使っています。
まとめ
シマドジョウを題材に、ライトな魚イラストの描き方を紹介させていただきました。しっかりと魚のイメージと存在感が掴めていれば、数時間で仕上がってきます。また、絵を描くということは、対象を深く観察することです。イラストを通じてより魚を知る機会にもなりますので、好きな魚を描いてみるといろんな発見があります。是非、一枚描いてみて下さい!